割烹料亭「亀清」

もう昨年の10月のことで恐縮だが、1年ぶりに料亭「亀清」に行ってきた。

ここは、2005年に新装オープンしたのだ。料亭という名前が付いているが、全然敷居が高くない。小料理屋といえば、そう思ってしまうような雰囲気である。

オープンの時におじゃましたきりで、ずいぶんとご無沙汰してしまった。 わすれられているかと思ったがちゃんと覚えていてくれた。そう言えば、以前のお店での最後の夜にもおじゃましたのであった。

しかしである、この亀清は、知る人ぞ知る料亭なのだ。というのは、親方と2代目が包丁を握るのだが、なんと二人ともふぐ調理師の免許を持っているのだ。しかも親方も2代目も大阪で修行してきた。ご承知のように、関西ではふぐは猛毒をもち、あたればいのちも落とすため、鉄砲と呼ばれふぐを使ったちり鍋はてっちりなどといわれる。しかし関西人は季節になると命の危険も顧みず、必ずてっちりを食べるほどふぐが大好きだ。そのふぐの本場で修行してきたのだから、さばき方もハンパではない。まぁえらそうなこと言っているが私も亀清では一回しか食べたことがない。しかしそれはそれはすごいものだった。今思い出しても身震いする。

さて、その亀清では、実はメニューがない、メニューがないと言うことは、値段の予想が付かないのだ。これは私のような現金を持ち歩かない人間には非常に厳しい。私の場合は最後はつけという手段があるので、平気だが・・・

一般庶民のみなさんは最初に予算を言うのも良いかもしれない。

そして、どんな魚が出てくるかわからないところがかなりデンジャラスというかアメージングというか・・・。

さて、そんな亀清の10月の魚は、まずタコぶつだった。最近、タコはモーリタリア産が幅を利かしてほとんどのスーパーで売られている。どうも美味しいタコにあわないのは、そのせいだとおもう。そのイメージをもって食べた私は、まず味の濃さにビックリした。そして歯切れの良さにまた驚いた。娘もビックリして美味しい美味しいと平らげていた。

そして、刺身が、ヒラメの薄造りだ。縁側もつけていただいた。

断っておくが亀清では養殖は絶対使わない。ついでに言うと、冷凍も絶対使わない。 こだわりがハンパじゃない。

このときのヒラメは日本海側で捕れたヒラメだった。亀清に来て何がうれしいかというと、味の濃い白身魚の刺身が食べられることだ。ふだん養殖の魚ばかり食べているので、白身は余り美味しくないという先入観が植え付けられてしまっているが、本物は違う。口べたなのでうまく説明できないが、とにかく味が豊富なのだ。噛めば噛むほどうまみがわき出るような刺身だ。 むかしむかし、ここで食べたアイナメの刺身は最高だった。うまれてはじめて感動した白身魚だった。 そして、岩牡蠣もうまかったなぁ。あのときは商社の人間を連れて行ったのだが、生まれて初めてあんなにうまい牡蠣を食べたと行っていた。そいつは、フランスの牡蠣とかも取扱をしてるんだぜ。実際現地に行ってブロンの牡蠣とかブルターニュの牡蠣を食べている人間をも感動させる味なんだ。

次に出てきたのは、蒸したははたはた(鱩)だ。白子と卵と両方あり、ボクは迷わず白子を選んだ。うまい。ただ、茹でただけのはたはたが、何とも言えないこくがあって脂濃くてポン酢にぴったり合う。後日談だが、2006年ははたはたが豊漁で、近所のスーパーでも売られていたので、私は何回も同じ料理を自分でつくって食べた。さすがに亀清の味にはならないが、なかなか満足できる物にはなる。亀清のおかげではたはたオヤジになってしまった。

さて、次が揚げ物だ。カレイの丸揚げだ。もちろん2度揚げしてあるから頭からぼりぼり食べられる。揚げる温度が良いせいか、身もみずみずしくジューシーに揚がっている。これはうまい。

ついでに天丼まで作ってもらった。さすがにここまでくると、酔っぱらっていて天ぷらの具材までは覚えていないが、白身の魚だったような気がする。天丼まで平らげ、満足感をもって帰宅するのだ。しかも、食べ終わるまでは、ちょっとドキドキしてお勘定をするのだが、いつも思っていたより安くすんで、またいきたいと思うのであった。しかし、閉店が11時とちょっと早いのでなかなかいけない私であった。

亀清は

山形県米沢市丸の内1丁目7-4

電話:0238-21-1800

定休日は毎週日曜日だ。ちょっと奥まった所にあるので、見つけにくいが、ようやく見つけたとき、苦労も忘れてしまう感動に会えるだろう。

     

亀清  – Yahoo!グルメ

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