最近はnoteで色々書いてます。

豪州工場視察【オーストラリア/コーラック】

豪州工場視察【オーストラリア/コーラック】

定期的に訪れている豪州現地工場。工場の品質チェックやオリジナルスペック商品の交渉を目的に訪問しますが、最近は枝肉を6分割するだけの手間のかからない中国向けの輸出量がかなり増えているので日本向けはだんだん相手にされなくなってきているのが現状です。しかし良質な羊肉を仕入れるために妥協はできません。

今回訪れたのは282工場。

自分達の仕事は羊の命を奪い、たくさんの犠牲の上で成り立っています。

命は何事にもかえることのできない尊いもの。慌ただしい日々の中で忘れそうにもなりますが自分達は毎日たくさんの命を頂いています。工場にはいたるところに血が飛び散っていて、順番に殺されるのを待つ羊の鳴き声が響きます。

決して無駄にはしません。

命に対する敬意と、羊肉を扱う仕事への重み、誇りを胸に仕事に臨みます。

工場を視察する際に重要なのは衛生管理。わずかな細菌が付着するだけで羊肉は20日間の船上熟成に耐えられません。

どんなに肉質が良くても、当店では取り扱いません。日本についた時点で美味しさのピークを過ぎている羊肉を仕入れることは、羊肉を大切にしていないのと同じこと。

毛皮は機械で綺麗にはがす。
こちらの工場では1日約1000頭の羊が屠畜される。
屠畜後、枝肉の温度は死後硬直熱によって38℃~40℃に上昇します。枝肉も水洗いによって表面が湿潤になっているため細菌が繁殖しやすい状態になっているため、肉の芯温が0℃以下になるまで冷蔵庫で冷やしこみをします。
素晴らしいバンドソーの技術。スピード、正確性が違いますね。
使い込まれたカービングナイフ

工場を見学したあとは、肉を試食します。

現地で食べるベストコンディションの羊肉は格別の味です。当社もなんとかこの味に近づけようと企業努力を重ねています。

例えばしゃぶしゃぶやジンギスカンに使うショルダーは、通常は、ボンレス(骨が抜かれた肉)が主流ですが、当社ではあえて骨付きのまま輸入しています。

骨を抜いてしまうと熟成が加速して、食べごろを逃してしまう可能性があります。

骨の重量分、仕入れ額はあがりますし、

骨を抜くのにも熟練した職人技とコストがかかります。

ですがそれに代えがたい美味さが骨付きショルダーにはあります。

せっせと肉の準備をする会長。
ビールも買ってきました。
肉にハエが群がる。

透き通るような赤身のお肉に心躍りますが、ここで重大なミスに気づきます。

塩・胡椒がない・・・。

いくら羊を愛している肉屋でも、この量を塩分無しで食べるのは正直きついです。

混乱するご一行を救ったのはダンカンでした。

塩・胡椒を調達してきたダンカンに、拍手喝采が。
無事に塩胡椒をあびたお肉たち。
メルボルンで食べた、スローローストショルダー。骨付きのまま6時間ローストしている。

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